20代後半の年収中央値はいくら?全体像を把握しよう

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総務省統計局が発表している最新の「就業構造基本調査」のデータによると、20代後半(25~29歳)の年収中央値は以下のようになっています。

  • 男性:415万円
  • 女性:310万円
  • 男女計:368万円

日本の雇用者全体の年収中央値が443万円ですので、20代後半の年収はまだ全体平均を下回っていることがわかります。しかし、20代前半(20~24歳)の年収中央値をみると、男性で282万円、女性で248万円、男女計で265万円。20代後半になると、20代前半と比べて年収が大きく伸びていることが見て取れます。

キャリアの初期段階にある20代後半は、まさに仕事面でのスキルアップによる昇給や、より条件の良い企業への転職によって年収アップを狙うチャンスが多い時期と言えるでしょう。年齢を重ねるごとに責任あるポジションに就く機会も増え、それに伴って収入面でのアップも期待できます。

ただし、20代後半の年収は個人差も大きいのが特徴です。全体の年収分布をみると、以下のようになっています。

  • 200万円未満:11.5%
  • 200万円以上〜400万円未満:49.2%
  • 400万円以上〜600万円未満:27.6%
  • 600万円以上:11.7%

20代後半の約半数が、年収200万円台〜300万円台に収まっている一方で、すでに400万円以上稼いでいる人も全体の4割近くに上ります。600万円以上の高年収層も1割以上存在しており、この時期からトップクラスの収入を得ている人がいることは注目に値します。

自分の現在の年収が同年代と比べてどのレベルに位置しているのか。客観的に把握した上で、より高い年収の実現に向けて戦略的にアプローチしていくことが大切だと言えます。

業種や職種、企業規模で大きな違いが

20代後半の年収を大きく左右するのは、業種や職種、勤務先の企業規模などです。この時期から高年収が期待できるのは、以下のような業界です。

  • 金融業界:メガバンク、大手証券会社、大手保険会社など
  • コンサルティング業界:戦略コンサルティングファーム、ITコンサルティングファームなど
  • IT業界:大手SIer、GAFAを始めとするグローバルIT企業など
  • 医療業界:医師、歯科医師など国家資格を持つ専門職

これらの業界では、20代後半でも500万円以上の年収を得ている人が多数派。特に医師は、20代後半の平均年収が1000万円を超えます。医師や歯科医師は、6年制の大学と、卒業後の研修期間が必須というハードルの高さもありますが、その分早い段階から高収入を安定的に得られるのが魅力と言えるでしょう。

金融業界やコンサルティング業界では、超一流大学出身者や難関な就職試験を突破した人材が集まる傾向があり、同年代でも報酬面での優遇を受けられるケースが多いようです。大手企業の総合職として採用されれば、20代後半から管理職の手前までを一気に駆け上がることも珍しくありません。

IT業界も、特にエンジニアの需要が高まる中で、高度なプログラミングスキルやデータサイエンスの知見を持つ人材に対する報酬は高騰。20代後半のうちにそうした専門性を磨けば、早い段階から高年収を得るチャンスに恵まれるでしょう。

企業規模の面から見ると、従業員1000人以上の大企業で働く20代後半の年収中央値は469万円。全体平均の368万円を大きく上回ります。外資系企業も、同年代の日本人社員の報酬水準は比較的高いと言われています。公務員も、安定した雇用と着実な昇給が約束されているため、手堅い選択肢の一つと言えるでしょう。

一方で、20代後半でアルバイトや契約社員など非正規雇用で働いている場合は、正社員と比べると年収は低くなる傾向があります。正社員と同じ仕事をしていても、給与体系の違いから、同水準の収入を得るのは難しいのが実情です。

近年は、20代のうちからフリーランスとして独立する人も増えてきました。しかし、案件の単価設定や受注量の安定性など、収入面でのリスクは避けられません。会社勤めをしながらフリーランスとして活動するなど、ハイブリッドな働き方を模索するのも一案かもしれません。

高年収の実現に向けた戦略を考えよう

20代後半の年収アップを実現するには、自身の強みを活かせる業界や職種を選択し、そこでスキルアップと実績作りに努めることが重要です。ただし、一足飛びに高年収を得ようと焦るのは禁物。長期的な視点を持ちながら、キャリアプランを練っていくことが大切だと言えます。

自分の市場価値を高めるためには、資格取得や語学習得といった、目に見える形でのスキルアップが有効です。例えばITエンジニアであれば、プログラミング言語の習得や、応用情報技術者試験などの国家資格の取得がアピールポイントになります。営業職であれば、商談成約率やコミュニケーション力など、数字で示せる成果を出すことが評価につながるでしょう。

また、20代後半は社会人としてのマナーや仕事の基本スキルを一通り身につけ、組織の中で一定の役割を果たせるようになる時期。与えられた仕事を確実にこなすだけでなく、周囲を巻き込んで部署やチームの目標を達成に導くリーダーシップを発揮できれば、高い評価を得るチャンスです。

自己研鑽を欠かさず、専門性を高めていくことも重要なポイントです。所属企業の業務を通じて専門知識やスキルを習得するのはもちろんですが、必要に応じて、自費での資格取得講座の受講や、大学院などへの進学も視野に入れましょう。社会人大学院に通いながら、昇進や転職に役立つスキルを磨くという選択肢もあります。

転職で年収アップを狙う場合は、単に待遇面だけでなく、将来のキャリアパスを見据えた選択が重要。自分のスキルや経験を最大限に活かせて、さらなる成長が望める環境なのかどうかを見極めることが求められます。そのためにも日頃から情報収集を怠らず、業界の動向やトレンドを把握しておくことが大切です。

同年代の平均年収を意識しつつ、トップランナーに学ぶ

20代後半の平均的な年収水準を把握し、自身の位置づけを客観視することは大切です。しかし、平均年収にすぐに届かないからと言って、くじけたり焦ったりする必要はありません。地道にスキルアップと実績作りを重ね、着実にキャリアを積み上げていくことが何より重要だと言えます。

一方で、平均年収をはるかに上回る高みを目指すのであれば、同年代のトップランナーたちの働き方に学ぶのも良いでしょう。どのようなスキルや専門性を身につけ、どのような仕事で成果を上げているのか。そうした情報をキャッチし、自身の行動規範とすることで、いつの日か自分も同じようなレベルに到達できる可能性が高まります。

平均的なサラリーマンとしてキャリアを歩むのか、それとも specialist としてより高みを目指すのか。20代後半は、将来の方向性を決める重要な岐路と言えます。自分なりのロールモデルを見つけ、そこから学びを得ながら、一歩一歩着実にレベルアップを図っていくことが大切だと言えるでしょう。

まとめ

20代後半は、社会人としてのキャリアを本格的に歩み始める大切な時期。総務省統計局のデータによると、この年代の年収中央値は368万円で、まだ全年代平均の443万円を下回っています。

しかし、業種や職種、企業規模によって、この時期から高年収を得られるチャンスは十分にあります。特に金融業界やコンサルティング業界、IT業界、医療業界などでは、20代後半でも500万円以上の年収を得ている人が多いのが特徴です。

自身のキャリアビジョンをしっかりと描き、その実現に向けて必要なスキルや経験を着実に積み重ねていくこと。それが20代後半の年収アップと、ひいては将来の豊かなキャリア形成につながる鍵だと言えます。

同年代の平均的な年収は意識しつつも、それに甘んじることなく、より高い目標に向けて挑戦を続ける姿勢が何より大切。トップランナーたちの働き方に学びながら、地道な努力を続けていけば、遠からず望む年収を手にできるはずです。

20代のうちから年収アップへの意識を高く持ち、スキルアップと実績作りにまい進する。そんな若者たちの活躍に大いに期待したいと思います。

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