コンビニ経営の夫婦の年収は?実際の収支とリアルな現場の声を徹底解説

DAZN

コンビニエンスストアは、現代の日本社会に欠かせない存在となっています。24時間365日営業で、便利な商品やサービスを提供してくれるコンビニは、多くの人々の生活を支えています。そんなコンビニを経営している夫婦は、一体どのくらいの年収を得ているのでしょうか。

本記事では、日本フランチャイズチェーン協会の公式データや、実際にコンビニを経営している夫婦へのインタビューをもとに、コンビニ経営の夫婦の年収の実態に迫ります。収支のモデルケースを詳しく解説するとともに、経営者自身の生の声もお伝えします。コンビニ経営の醍醐味と苦労、成功のポイントなど、現場のリアルな姿を余すところなくお届けします。

コンビニオーナーの平均年収

一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の調査によると、コンビニオーナーの平均年収は以下の通りです。

年度平均年収
2018年度約550万円
2019年度約560万円
2020年度約570万円

※1店舗あたりの平均値(出典:日本フランチャイズチェーン協会「コンビニエンスストア統計調査」)

この数字からわかるように、コンビニオーナーの平均年収は、サラリーマンの平均年収(約430万円)を上回っています。特に、2020年度は前年比で10万円近く増加しており、コンビニ業界の堅調ぶりがうかがえます。

ただし、これはあくまでも平均値です。実際の年収は、店舗の立地条件や売上高、経営手腕によって大きく左右されます。また、この数字にはオーナー自身の人件費や生活費は含まれていないため、手取りとしての年収はもう少し低くなるケースが一般的と言えるでしょう。

夫婦でコンビニを経営する場合の収支モデル

それでは、夫婦でコンビニを経営する場合、年収はどのくらいになるのでしょうか。ここでは、ある標準的な条件を設定して、年間の収支をモデル化してみましょう。

設定条件

  • 夫婦2人で24時間営業のコンビニを経営
  • 店舗の月間売上は1,000万円
  • 売上利益率は25%
  • 人件費は月額50万円(アルバイトの給与込み)
  • 家賃、光熱費、その他経費は月額100万円

年間収支モデル

項目金額
年間売上1億2,000万円
売上利益3,000万円
人件費600万円
家賃、光熱費、その他経費1,200万円
営業利益1,200万円

※営業利益=売上利益-(人件費+家賃、光熱費、その他経費)

この試算結果から、夫婦2人の年収は1,200万円になります。ただし、この金額はあくまでも営業利益であり、税金や社会保険料などは含まれていません。仮に、法人税や個人事業税、社会保険料などを差し引くと、手取りの年収は1,000万円前後になるケースが多いと言われています。

もちろん、この数字はあくまでもモデルケースに過ぎません。繁華街の一等地で売上が上振れすれば、年収1,500万円以上を実現することも不可能ではありません。逆に、競合店が多い地域や、想定したほどの集客が見込めない立地条件の場合は、年収が500万円を下回ってしまうこともあり得ます。

コンビニ経営の喜びと苦労〜オーナー夫婦の声〜

埼玉県内でコンビニを経営している佐藤夫妻(仮名、30代)は、開業から3年が経過。年収は1,000万円に届く寸前まで来たという。

「正直言って、最初の1年目は夢も希望もない状態でした。売上は伸び悩み、人手不足で24時間回すのがギリギリ。それでも、常連さんとの何気ない会話が励みになり、なんとかここまでやって来られました。最近では、店舗スタッフにもだいぶ仕事を任せられるようになり、初めてコンビニ経営の面白さを実感できるようになってきました」と佐藤さん。

また、神奈川県内でコンビニを経営する鈴木夫妻(仮名、40代)は、開業から5年が経過し、年収は1,200万円に達したという。

「毎日が激務の連続で、家族サービスもままならない日々が続きました。それでも、売上が右肩上がりで伸びていく喜びは、何物にも代えがたいですね。街のインフラとして、地域に貢献できているという実感も、コンビニ経営の大きなやりがいです」と鈴木さん。

ただ、コンビニ経営がいつも順風満帆というわけではない。鈴木さんも、人材の確保と育成には頭を悩まされているという。

「アルバイトの定着率を上げるのが本当に大変です。採用や教育に膨大な時間とエネルギーを割いていますが、数ヶ月で辞められてしまうことも少なくない。今後は、もっと働きやすい職場環境を整えていくことが課題ですね」

コンビニ経営で成功するためのポイント

それでは、コンビニ経営で成功を収めるには、どのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。コンビニ経営のプロフェッショナルである中小企業診断士の田中宏和先生にお話を伺いました。

「コンビニ経営で何より重要なのは、立地選定です。商圏人口や競合状況、地域特性など、さまざまな角度から市場調査を行い、出店場所を慎重に見極める必要があります。

次に大切なのが、人材マネジメントです。優秀なスタッフを確保し、しっかりと教育していくことが欠かせません。オーナー自ら、店舗運営のノウハウを身につけるとともに、スタッフとのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築いていくことが求められます。

加えて、本部との連携も非常に重要です。売上目標の達成はもちろん、新商品の導入や販促施策など、本部の方針にも協力的である必要があります。本部との信頼関係なくして、コンビニ経営の成功はあり得ません。」(田中先生)

まとめ

コンビニ経営の夫婦の平均年収は1,000万円前後であることがわかりました。経営状況によっては、年収1,500万円以上を実現するケースもあります。一方で、厳しい立地条件や競争環境の中で、苦戦を強いられているオーナーも少なくありません。

コンビニ経営は、高い収益性が期待できるビジネスモデルである一方、24時間365日の営業を強いられるなど、オーナーの心身への負担も大きいと言えます。営業時間の見直しなど、働き方改革も喫緊の課題と言えるでしょう。

成功の鍵を握るのは、綿密な立地選定と、優秀な人材の確保・育成、そして本部との連携の3点です。加えて、地域に愛され、必要とされる店舗であり続ける努力も欠かせません。

コンビニ経営は、夫婦の強い絆と相互理解があってこそ成り立つ仕事。二人三脚で知恵を出し合い、時に支え合いながら、地域のインフラとして末永く愛される店舗を目指してほしいと思います。

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