キャンプインストラクターの年収の実態:専門家が語る仕事の魅力と収入事情

DAZN

キャンプインストラクターは、自然の中でのアクティビティを通じて、参加者に感動や成長の機会を提供するやりがいのある仕事です。アウトドアが好きな人にとっては、夢の職業とも言えるでしょう。しかし、キャンプインストラクターの年収については、あまり知られていないのが実情です。

本記事では、キャンプインストラクターの年収の実態に迫ります。インストラクターの収入事情や、仕事のやりがいについて、現役インストラクターや業界専門家の声を交えて解説します。また、年収アップのポイントや、キャリア形成のコツについても探っていきます。キャンプインストラクターを目指す方、アウトドア業界に関心がある方は必見の内容です。

キャンプインストラクターの年収レンジ

まず、キャンプインストラクターの年収レンジを見ていきましょう。日本キャンプ協会が実施した「キャンプ指導者の実態調査」によると、キャンプインストラクターの年収分布は以下の通りです。

年収レンジ割合
200万円未満32.8%
200万円以上〜300万円未満41.4%
300万円以上〜400万円未満15.5%
400万円以上〜500万円未満6.9%
500万円以上3.4%

※出典:日本キャンプ協会「キャンプ指導者の実態調査」(2019年)

この調査結果から、キャンプインストラクターの約74%が年収300万円未満であることがわかります。年収500万円以上のインストラクターは、全体の3.4%に留まっています。

キャンプインストラクターの平均年収は、約280万円と推定されています。全職種の平均年収(約440万円)と比べると、かなり低い水準にあると言えるでしょう。

「キャンプインストラクターの仕事は、自然の中で人々に感動を与えられるやりがいのある仕事です。でも、その割には、収入面では厳しいのが現状ですね」と話すのは、国立青少年教育振興機構のキャンプ場で指導員を務める鈴木さん(仮名、30代)。

「キャンプ場の運営予算が限られているため、インストラクターの報酬も低めに設定されがちです。専属のインストラクターは少なく、多くは季節雇用や、ボランティアに近い形で働いています」(鈴木さん)

キャンプインストラクターの収入の内訳

次に、キャンプインストラクターの収入の内訳を見ていきましょう。キャンプインストラクターの収入は、大きく分けて以下の3つに分類されます。

  1. 基本給(日給・月給)
  2. 事業手数料(プログラム提供手数料)
  3. 副収入(野外活動指導、執筆活動など)

専属のインストラクターとして雇用されている場合は、日給もしくは月給の形で基本給が支払われます。シーズン雇用の場合は日給制、通年雇用の場合は月給制のケースが一般的です。

事業手数料は、インストラクターが提供するプログラムの参加費などから支払われる報酬です。プログラムの企画や運営に関わる分、収入アップが見込めます。ただし、プログラムの集客状況によって収入が変動するリスクもあります。

副収入は、本業以外の活動で得る収入を指します。野外活動の指導や、アウトドア雑誌への寄稿、講演活動などが代表例です。本業だけでは収入が不安定になりがちなインストラクターにとって、副収入の確保は重要な課題だと言えます。

「インストラクターの収入のベースは、日給や月給です。でも、それだけでは生活は厳しい。事業手数料や副業での収入があって、ようやくフルタイムで働けるという状況ですね」と打ち明けるのは、民間のアウトドア教育企業に勤務する佐藤さん(仮名、40代)。

「副業では、学校の野外活動の指導や、企業の研修プログラムの講師なども請け負っています。本業と副業を掛け持ちすることで、何とか年収400万円くらいは確保できています」(佐藤さん)

キャンプインストラクターの仕事のやりがい

キャンプインストラクターの年収は、他の職種と比べて低い傾向にあります。では、なぜインストラクターは、この仕事を続けるのでしょうか。ここでは、キャンプインストラクターの仕事のやりがいについて、現役インストラクターの声を紹介します。

「子供たちの成長を間近で見られることが、この仕事の何よりのやりがいです」と語るのは、YMCA東山荘でキャンプリーダーを務める田中さん(仮名、20代)。

「キャンプを通じて、子供たちが自然の大切さを学んだり、仲間と協力することの素晴らしさを実感したりする姿を見ると、本当にこの仕事をしてよかったと感じます。お給料は高くないけれど、子供たちの笑顔が何よりの宝物ですね」(田中さん)

「大人も子供も、自然の中で過ごすことで、日常では味わえない喜びや安らぎを得ることができます」と話すのは、国立妙高青少年自然の家の主任指導員である山口さん(仮名、50代)。

「参加者が、キャンプを通じて自分自身と向き合い、新しい一面を発見する瞬間に立ち会えることが、インストラクターの特権だと思います。自然の力を借りて、人の心に良い変化を与えられる。それが、この仕事の醍醐味ですね」(山口さん)

キャンプインストラクターの年収アップのポイント

キャンプインストラクターの年収は、個人の努力次第である程度は改善できる余地があります。ここでは、年収アップにつながるポイントを見ていきましょう。

  1. 専門性を高める:野外活動やアウトドア教育に関する専門知識やスキルを習得することで、より高い報酬を得られる可能性が高まります。
  2. 事業提案力を磨く:魅力的なプログラムを企画・提案し、集客につなげることができれば、事業手数料収入の増加が期待できます。
  3. ネットワークを広げる:他のキャンプ場や指導者とのつながりを作ることで、情報交換や相互協力の機会が生まれ、収入アップにつながるかもしれません。
  4. マルチスキルを身につける:インストラクション以外のスキル(施設管理、広報、経理など)を習得することで、キャンプ場運営の幅広い業務に携われるようになります。
  5. 副業の選択肢を増やす:本業だけに依存せず、副業の機会を積極的に探すことで、収入の安定性を高めることができるでしょう。

「インストラクターの収入を上げるには、自分の価値を高めることが何より大切」だと指摘するのは、アウトドア教育事業の経営コンサルタントである中村さん。

「専門性を磨き、他にはない独自のプログラムを提供できるようになること。それが、インストラクターの市場価値を上げ、年収アップにつながる近道だと思います。また、インストラクターという枠にとらわれず、キャンプ場運営のトータルプロデュースができる人材を目指すのも一つの方法でしょう」(中村さん)

まとめ

キャンプインストラクターの年収の実態と、その背景にある事情について解説してきました。インストラクターの平均年収は約280万円と、他の職種と比べて低い水準にあることがわかりました。キャンプ場の運営予算の制約や、雇用形態の不安定さなどが、年収の低さにつながっていると考えられます。

その一方で、キャンプインストラクターの仕事には、子供たちの成長を支えたり、人々に自然の大切さを伝えたりするなど、お金では得られないやりがいがあることも事実です。自然の中で人と関わり、感動体験を提供できることが、多くのインストラクターの働きがいになっているようです。

年収アップのためには、専門性を高め、事業提案力を磨くことが重要だと言えます。加えて、インストラクション以外のスキルも身につけ、キャンプ場運営により幅広く携われるようになることも大切でしょう。副業の選択肢を増やすことで、収入の安定性を高めることも可能です。

キャンプインストラクターという仕事は、自然の中で人々の心に寄り添える、他にはないやりがいがあります。その情熱と献身に見合った報酬が得られるよう、インストラクターの方々には、自分の価値を高める努力を続けてほしいと思います。

社会全体で、アウトドア教育の重要性と、インストラクターの役割をもっと正しく理解することが求められます。行政や企業、地域社会が連携し、キャンプインストラクターが活躍しやすい環境を整備していくこと。それが、日本のアウトドア教育の発展につながるはずです。

自然の中で人を育む。キャンプインストラクターのその崇高な使命が、もっと多くの人に認知され、正当に評価される日が来ることを心から願っています。インストラクターの皆さんの益々のご活躍を期待しています。

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