相撲部屋の親方の年収は?理事・理事長の給料は?部屋の運営費は?
相撲部屋の親方は、給料をいくらもらっているのか気になりますよね。
大相撲の親方は、日本相撲協会の構成員として人材育成業務の委託契約を結んでいる人で、正式には「年寄」と呼ばれます。日本相撲協会の年寄になるには、現役時代の成績、日本国籍の有無、協会の承認など、いくつかの要件を満たすことで年寄になることができます。
また、日本相撲協会の年寄には、理事、副理事、監事、役員待遇委員、委員、主任、参与、平年寄の役職ごとに毎月の給料や賞与、各種手当の支給額が大きく異なるようになります。
では、相撲部屋の親方の年収はいくらなのでしょうか。日本相撲協会の理事や理事長の給料について、相撲部屋の運営費用として支給される金額についてまとめました。
相撲部屋の親方の年収は?
相撲部屋の親方は、日本相撲協会の年寄になることで親方として仕事をすることができるようになります。
また、日本相撲協会の年寄になると、理事、監事、役員待遇委員、委員、主任、参与、平年寄の各役職に就きますので、役職ごとに日本相撲協会から給料が支払われます。
親方の給料
相撲部屋の親方の給料は、基本額として毎月の給料と年間のボーナスが支給されます。
各種手当として、年寄の勤続年数に応じた勤続手当や年寄名跡の取得補償として名跡金、場所ごとに年に3回支給される場所手当、協会在勤者に対して支給される在勤手当などがあります。
その他、理事や理事長になると、本部勤務手当や年度末手当、先発手当、巡業参加手当が別で支給されます。
そのため、相撲部屋の親方の給料は、理事が月額1,498,000円、監事(副理事)が月額1,232,000円、委員(役員待遇委員)が月額1,001,000円、主任・参与が月額849,000円、平年寄が月額784,000円です。
年間賞与(ボーナス)として、理事が2,810,000円、監事が2,464,000円、委員が2,002,000円、主任・参与が1,698,000円、平年寄が1,568,000円となります。
理事の給料
理事の年収 | 2,500万円~3,000万円 |
月額給料 | 1,498,000円 |
年間賞与 | 2,810,000円 |
本部勤務手当(月額) | 40,000円 |
年度末手当(年1回) | 800,000円 |
先発手当 | 大阪場所:1,550,000円 名古屋場所:1,550,000円 福岡場所:1,700,000円 |
巡業参加手当(1日あたり) | 20,000円 |
勤続手当(月額) | 5,000円~20,000円 |
場所手当(年3回) | 200,000円 |
名跡金(月額) | 50,000円 |
在勤手当(月額) | 15,000~50,000円 |
審判手当(年6回) | 各場所ごとに50,000円 |
副理事、監事の給料
副理事、監事の年収 | 1,900万円~2,000万円 |
月額給料 | 1,232,000円 |
年間賞与 | 2,464,000円 |
勤続手当(月額) | 5,000円~20,000円 |
場所手当(年3回) | 200,000円 |
名跡金(月額) | 50,000円 |
在勤手当(月額) | 15,000~50,000円 |
審判手当(年6回) | 各場所ごとに50,000円 |
役員待遇委員、委員の給料
役員待遇委員、委員の年収 | 1,500万円~1,600万円 |
月額給料 | 1,001,000円 |
年間賞与 | 2,002,000円 |
勤続手当(月額) | 5,000円~20,000円 |
場所手当(年3回) | 200,000円 |
名跡金(月額) | 50,000円 |
在勤手当(月額) | 15,000~50,000円 |
審判手当(年6回) | 各場所ごとに50,000円 |
主任、参与の給料
主任、参与の年収 | 1,300万円~1,400万円 |
月額給料 | 849,000円 |
年間賞与 | 1,698,000円 |
勤続手当(月額) | 5,000円~20,000円 |
場所手当(年3回) | 200,000円 |
名跡金(月額) | 50,000円 |
在勤手当(月額) | 15,000~50,000円 |
審判手当(年6回) | 各場所ごとに50,000円 |
平年寄の給料
平年寄の年収 | 1,200万円~1,300万円 |
月額給料 | 784,000円 |
年間賞与 | 1,568,000円 |
勤続手当(月額) | 5,000円~20,000円 |
場所手当(年3回) | 200,000円 |
名跡金(月額) | 50,000円 |
在勤手当(月額) | 15,000~50,000円 |
審判手当(年6回) | 各場所ごとに50,000円 |
日本相撲協会の理事長と理事の給料の違いは?
日本相撲協会の理事長と理事は、どちらも理事としての給料・賞与が支払われますので、理事長と理事では基本となる年収は同じです。
理事長だからといって、月額の給料が理事よりも多くなるということもありませんし、賞与が増額されるということもありません。そのため、日本相撲協会の理事長職は、名誉職という意味合いが強い印象を受けます。
ただ、理事長と理事では本部勤務手当や年度末手当、先発手当が異なります。また、理事長と理事では、日本相撲協会を退職した際の退職慰労金も異なるようになります。
理事長よりも理事のほうが給料が高くなる可能性も!?
理事長と理事は、毎月の給料や年間の賞与が同額です。また、日本相撲協会の理事長は本部勤務となりますので、地方場所や巡業に参加することはありません。
そのため、理事として担当する地方場所や巡業の回数によっては、理事長よりも理事のほうが年収が高くなるというケースが考えられます。特に先発手当は、大阪場所で155万円、名古屋場所で155万円、福岡場所で170万円が1場所ごとに支給されますので、理事長の年収と理事の年収が逆転する可能性があるのです。
本部勤務手当の違い
理事長 | 月額50,000円 |
理事 | 月額40,000円 |
年度末手当の違い
理事長 | 1,100,000円 |
理事 | 800,000円 |
先発手当の違い
理事 | 大阪場所:1,550,000円 名古屋場所:1,550,000円 福岡場所:1,700,000円 |
巡業参加手当の違い
理事 | 巡業1日あたり20,000円 |
常勤役員退職慰労金の違い
理事長 | 1期2年に付き1,000,000円 |
理事 | 1期2年に付き700,000円 |
相撲部屋の収入は?運営費はいくらもらえる?
日本相撲協会の年寄になると、新たに相撲部屋を立ち上げることができます。
相撲部屋新設の条件は「現役時代に横綱、又は大関だった年寄」「関脇・小結の三役を通算25場所以上勤めた年寄」「幕内で通算60場所以上を勤めた年寄」のいずれかの条件を満たして、師匠や理事会の了承を得ると相撲部屋を新設できます。
既存の相撲部屋を継承する場合は、「幕内で通算12場所以上の年寄」「幕内・十両で通算20場所以上の年寄」のいずれかの条件を満たすことで、相撲部屋を継承することができます。
部屋持ち親方には運営費用が支給される
新たに相撲部屋を立ち上げるか、あるいは既存の相撲部屋を継承すると、日本相撲協会から部屋の運営資金として各種手当が支給されます。
また、親方が育てた力士が関取になると、日本相撲協会から養成奨励金が支給されます。養成奨励金は、1名に付き横綱が年間2,760,000円、大関が年間2,160,000円、三役が年間1,560,000円、平幕が年間1,260,000円、十両が年間1,140,000円の支給があります。
そのため、部屋に所属している力士が出世すればするほど養成奨励金の金額が増加し、十両以上の関取の数が多くなればなるほど、1名ごとに養成奨励金がもらえることになります。
逆に、十両以上の関取を育てることができない部屋持ち親方は、自分自身の給料から持ち出したり、タニマチやスポンサーなどからの資金援助を受ける場合もあります。
相撲部屋の運営資金(各種手当)
力士養成費 | 幕下以下の力士1名に付き月額70,000円 |
相撲部屋維持費 | 所属力士1名に付き場所ごとに115,000円 |
稽古場維持費 | 所属力士1名に付き場所ごとに45,000円 |
養成奨励金
※養成奨励金は所属力士の出世に応じて支給されます。
横綱 | 年間2,760,000円 |
大関 | 年間2,160,000円 |
三役 | 年間1,560,000円 |
平幕 | 年間1,260,000円 |
十両 | 年間1,140,000円 |
相撲部屋の親方は平年寄でも年収1,200万円以上!
相撲部屋の親方は、役職に応じて給料やボーナスが異なりますが、最も地位の低い平年寄でも年収は1,200万円以上です。
また、日本相撲協会の理事になると、担当する場所や巡業日数にもよりますが、おおむね年収は2,500万円~3,000万円以上となります。
年寄は65歳が定年ではありますが、年寄の再雇用制度も導入されましたので、日本相撲協会に所属する力士は相撲を引退した後でも高額な年収を得ることができます。
年寄になるには条件を満たすことが重要
力士から年寄になるには、最高位が小結以上、あるいは幕内在位が通算20場所以上、又は十両以上の在位が通算30場所以上でなければ年寄になることはできません。また、力士になれば、誰でも簡単に親方になれるというものでもありません。
仮に親方になれたとしても、現役時代の成績が年寄になった後の出世にも影響しますので、現役時代にあまり活躍できなかった年寄は、引退後になかなか出世できないケースも多いのです。
十両以上の関取になれるのは10人に1人と言われていますので、ほとんどの力士が年寄にはなれず、現役引退と同時に日本相撲協会を去ることになります。